包括的歯科治療comprehensive

10年後・20年後の
未来を見据えて

10年後・20年後の未来を見据えて

歯の修復治療を行うにあたっては、できるだけ天然歯を模倣した形態を付与し、可能な限り長期安定させることが「臨床」であると考えています。しかし多くの天然歯は、咬耗や摩耗を繰り返し、早期接触や過剰干渉といった要因により、臨床において理想的な修復は困難となることが少なくありません。

机上の学問は理解しているつもりでも、それが患者様一人一人に合っているかということが重要なキーポイントとなります。

「総合的診断」「包括的歯科治療」と聞くと、お口全体で「たくさん治療すること」と感じてしまう方も多いかと思います。しかし、たった一本の修復処置においても問題を解決しなければ、再び崩壊するリスクは残ってしまいます。

包括的歯科治療とは、患者様の骨格や年齢から生理的咬合や病的咬合など、患者様の生体に合った固有の安定咬合の見極め、現在の口腔内状態を守っていくのか、もしくは咬合の再構築が必要なのかを相関的に捉えていくことと考えています。

当院の取り組みについて

加齢変化と病的変化

加齢変化と病的変化

口腔内には親知らずを除く28本の歯が存在しています。前歯から臼歯までそれぞれ形態が異なり、それぞれの形態に対する機能によって口腔内を維持しています。年齢を重ねるごとに歯並びや咬合面に咬耗や摩耗が進行し、顎関節にも影響が出てきます。

しかしこれらが生体の許容範囲を超えることなく、また病的状態に陥ることなく、口腔の健康に推移していれば、それは「加齢変化」であり「生理的咬合」と診断できます。

虫歯や歯周病はないが、
加齢変化による歯肉退縮や歯頸部のくさび状欠損

しかし病的な変化でないため治療の必要性はない。

症例1

一方で、虫歯・歯周病・歯の喪失・不良補綴物・歯並びなどにより歯に病的な咬耗や摩耗を生じ、歯や顎関節にかかる力が生体の許容範囲を超えてしまった場合、顎運動の異常やそれに伴う歯の機能的なバランス失い、「病的咬合」へと転帰していきます。

病的咬合を生理的咬合へ導くためには、歯列(歯並び)・顎関節の状態・顎運動に調和した歯の形態などを再度新規に構成しなおす必要があり、これを咬合再構成と言います。

病的咬合による臼歯の崩壊と診断

上顎前歯部に歯列不正・下顎前歯部に異常な咬耗を認め、
臼歯部だけに補綴物や欠損部が存在。

症例2
噛み合わせの分類について

包括的歯科治療とは

包括的歯科治療とは

過去の歯科治療では、虫歯や歯周病をはじめとする“お口のトラブル”の原因は細菌感染であるとされ、日々の生活習慣や歯磨きが再発を防ぐ重要な役割があるとされてきました。

そして生じたお口のトラブルについては「痛いところだけ」「欠けたところだけ」「気になるところだけ」を解決する、いわゆる対症療法だけを行ってきました。

しかしこのような対症療法だけを繰り返す歯科治療では、お口の状態が良くならない、再発を繰り返すようなケースがあります。そのような場合、お口のトラブルの原因が細菌感染によるものだけでなく、歯並びや噛み合わせなどといった様々な要因が多岐にわたって存在している可能性があります。

歯科疾患の本質的な要因、悪くなってしまった原因をしっかり分析し、お口の問題を根本的に改善する「包括的歯科治療」に取り組んでいます。我々歯科医師が目指すべき治療は、歯科疾患の根本的な原因を捉え、原因に応じた適切な歯科治療を提供、歯科医院の目的である「健康回復」と「予防処置」を兼ね備えた「長期的に歯を守る治療」なのです。

包括的歯科治療への取り組み

お口のトラブルの原因を追及し、審美治療・矯正歯科・咬合治療などあらゆる治療を駆使して、根本的に治療する総合的歯科治療を「包括的歯科治療」と呼んでいます。

対症療法だけで治療を終わらせるのではなく、原因を探り根本的な解決を目指す原因除去療法に取り組んでいます。

総合診断の重要性

包括的歯科治療とは

包括的歯科治療では、症状が現れている部分だけを診るのではなく、患者様の骨格から口腔内と全体をしっかりと診断する必要があります。

顔貌・骨格・口腔内・歯牙と順に診査していき、骨格に応じた噛み合わせ・顎運動に調和した歯の形態などから、現在のお口の状態が生活習慣によるものなのか、噛み合わせや歯並びが関与しているのかを検査していきます。

虫歯や歯周病などをはじめとする歯科疾患の要因は、細菌感染や噛み合わせといった口腔内の直接的要因と年齢・性別・骨格・全身状態・遺伝・体質・生活習慣などご本人の免疫力や再生力の間接的要因など、さまざまな問題が関与している場合があり、これらの要因が生体の許容範囲を超えてしまった場合に症状が出てきてしまいます。

外傷によって前歯が抜歯となったケース

歯並びや噛み合わせに問題はあるが、
咬合による影響や全顎的な虫歯・歯周病リスクは低いと判断し、
前歯だけのインプラント治療を行った症例

症例3

正確な資料収集と治療計画

包括的歯科治療において、「同じ原因」または「同じ症状」を繰り返さないためにも、資料収集と診査・診断は最も重要な項目のひとつです。現在のお口の状態をしっかり把握するためには正確な資料収集が欠かせません。症状や状態に応じて顔貌写真・口腔内写真・レントゲン・歯周組織検査など正確な資料から正確な診断を導きます。

診断結果や検査結果をもとに、その人に最適な治療計画を立てていきます。特に若くして歯を失っている方や噛み合わせが病的になってしまっている方へは、最終治療ゴールの設定とともに治療の優先順位や再治療のリスクなど、生涯渡った治療計画と患者様の生活背景などに合わせた治療のご提案が必要となってきます。

資料収集について

顔貌を基準に歯を治療

口腔は顔貌の局所ポイントであり
常に顔貌を基準に歯を治療する必要がある。

(左:歯の正中線に合わせた写真 /
中:顔貌の正中線に合わせた写真 /
右:顔貌と歯の正中線を一致させて仮歯を入れた状態)

症例4

原因を解決する診断力と
解決するための技術力

包括的歯科治療とは

総合診断や精密検査によって得られたデータをもとに、患者様一人一人に最適な治療ゴールを患者様・歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士がラボコミュニケーションを通して相談しながら共に考察していきます。

治療ゴールの設定を形にするためにワックスアップやモックアップを製作しながら、治療ゴールを「視覚化」していきます。

あとは現在の口腔内を「設定した治療ゴール」と一致させるため、審美治療・矯正歯科・補綴治療・入れ歯治療・インプラント治療などをあらゆる治療オプションを組み合わせて治療を行なっていきます。

矯正歯科もインプラント治療もあくまで治療オプションであり、どの治療を選択する事になっても、治療ゴールのコンセプトが変わることはありません。

さまざまな治療オプション

治療ゴールを視覚化した症例

全顎的な異常咬耗が顕著な方に咬合再構成を行うための
ワックスアップにより治療ゴールを視覚化した症例

(左:初診時 / 中:ワックスアップ / 右:治療終了時)

症例5

咬合再構成

過度な干渉や免疫力の低下によって歯や歯肉に影響が出たり、不正咬合や機能的なバランスから顎関節に症状が出たりしている噛み合わせの状態を「病的咬合」と言います。病的咬合の状態が長く続くことにより、歯を失うリスクが高まったり、審美的な障害が発生したりと、お口の中でトラブルが起こり、いずれは咬合崩壊してしまう可能性があります。

咬合再構成とは、そういった病的な咬合状態を見極め、理想的で安定した咬合に構成しなおす治療方法で、包括的歯科治療における代表的な治療となっています。あくまでも目指すべき治療ゴールは「骨格に応じた適切な咬合支持の付与」とそれによる「歯や顎関節にかかる力のコントロール」であり、インプラント治療・矯正歯科・補綴治療など様々な治療を組み合わせることは治療ゴールに導くための「手段」であると考えています。

全顎的な虫歯のより病的咬合から咬合崩壊が懸念される症例

噛み合わせを再構築するため、
ワックスアップからプロビジョナルレストレーション(仮歯)を装着。

(左:初診時 / 中:ワックスアップ / 右:プロビジョナル装着時)

症例6

骨格から咬合を見極める

咬合再構成治療において最も重要なキーポイントは「骨格の見極め」です。骨格は人によって様々ですが、上顎骨は頭蓋骨に準じているため不動ですが、下顎骨は顎関節の動きに合わせて前後左右に動きます。

下顎骨の位置で骨格は左右されるため、上顎骨に対する下顎骨の位置を見極め、正しい下顎骨の位置での骨格診断が重要となります。

咬合平面や咬合様式は患者様の骨格によって異なる

(左:上下顎正常 / 中:上顎前突 / 右:下顎前突)

症例7

矯正歯科は必要か?

歯並びが悪くて噛み合わせが良くないからといって歯が悪くなった原因が必ずしも噛み合わせにあるとは限りません。

歯並びが悪くても、歯磨きが上手でプラークコントロールが良くて、虫歯や歯周病のリスクコントロールができている方はたくさんいらっしゃいます。

その噛み合わせが患者様の許容範囲内に収まっており、口腔内のトラブルが少ない場合には、その噛み合わせは患者様固有の安定咬合であると診断できます。

必ずしも矯正は必要ない

歯並びが悪く噛み合わせも決して良いとは言えないが、
歯磨きが上手で虫歯や歯周病のリスクもないため、
見た目が気にならなければ、必ずしも矯正は必要ない。

症例8
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